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日本の地域社会の見えない壁:沖縄の山原(やんばる)を事例として

Vortrag von Prof. Takashi Namba, Kommentar: Daisuke Nagahama

09.02.2023 18:15 Uhr – 19:45 Uhr

日本の沖縄には、『寄留民(きりゅうみん)』ということばがある。寄留民とは、明治維新前からの先祖の土地を離れて住んでいる人のことを言う。日本本土の米軍基地の土地(軍用地)が、ドイツと同じように、ほとんど国有地(87%)であるのに対して、沖縄の軍用地は40%が私有地、37%が県・市町村有地、国有地は23%しかない。沖縄本島北部の山の軍用地は、多くが共有地で、コミュニティ(本土では町内会・自治会、沖縄ではシマ)が管理・運営している。これらのシマでは、多いところでは年間2億円以上の収入(借地料や補助金)がある。収入を活用して、シマが自治体(市町村)と同じような規定と組織を持ち、絶大な権力を持つ。ただ、多額の収入のために、シマのメンバーシップが厳格に決められている。戦後シマに引っ越してきた人は、シマの仲間に入れない。寄留民には資格が無いのだ。まさに、コミュニティの中に見えない壁が存在する。この発表では、日本に古くからあるムラ制度について説明したうえで、現代沖縄のコミュニティを事例に、日本の地域社会の中にある見えない壁について議論する。

難波孝志(Takashi Namba)の紹介

Prof_Namba難波孝志は、現在、大阪経済大学 情報社会学部の教授である。大学院 経営情報研究科の研究科長を務めている。専門は、都市・地域社会学である。都市社会や農村社会のコミュニティ問題について、国家や自治体と地域社会の関係、コミュニティ内部の人間関係に焦点を当てて、研究を行ってきた。主な著書として、難波孝志(編), 2020, 『米軍基地と沖縄地域社会』, シリーズ 沖縄の地域自治組織1<北中部編>, ナカニシヤ出版, Takashi Namba, 2020, ‘Comparative Study on the Consensus - Building Process of the Conversion of Closed Military Bases in Germany and Japan’, (Carmen Schmidt and Ralf Kleinfeld (Ed.), “The Crisis of Democracy?: Chances, Risks and Challenges in Japan (Asia) and Germany (Europe)”, Cambridge Scholars Publishing), pp.431-441, Takashi Namba, 2009, ‘Problems with the municipal mergers in the Kiso (Nagano) Area’, (Gyoergy Szell / Ute Szell(eds.), “Quality of Life and Working Life in Comparison”, PETER LANG), pp. 71-85 などがある。

Der Vortrag findet in Präsenz und in japanischer Sprache statt.

Ort: Japan-Zentrum der LMU, Seminargebäude am Englischen Garten, Oettingenstr. 67, 80538 München, Raum 151.

Kommentar: Daisuke Nagahama

Daisuke_Nagahama沖縄県の宮古島出身で、現在オックスフォード大学大学院日本学修士課程2年生の長濱大祐です。修士論文として、沖縄県内における基地に対する年代や地域別認識の違いについて執筆中です。